The Book -11月18日発売

日本よ、覚醒せよ
日本の停滞は、国民性だけが原因ではない。
なぜ変化や改革が先送りされ、リスクが偏り、必要な対応が進まないのか。本書では、その背景にある制度や仕組みに目を向ける。そして、こうした構造をどう変えていけるのかを問いかける。
本書について
否定するためではない。信じているからこそ、問いかけたい。
いまの日本は、規律、ものづくり、社会の結束、制度の安定、そして高い実行力によって築かれてきた。本書は、まずその強さに着目する。
しかし、戦後の成長を支えた仕組みが、いまでは新しい時代への対応を難しくしている。決断を急ぐよりも、先送りするほうが選ばれやすい。問題が起きても責任の所在が曖昧になりやすい。行動すればリスクを負うのは一部である一方、うまくいったときの恩恵は広く共有される。こうした構造が、決断を遅らせる一因となっている。
少子高齢化が日本の大きな課題であることは間違いない。だが、それだけで日本の停滞を説明することはできない。問題が見えているにもかかわらず、なぜ必要な決断が繰り返し先送りされるのか。そこに目を向ける必要がある。
先送りするほど、その代償は大きくなる。それでも、日本にはまだ変わる力がある。
その先を決めるのは、政府や企業だけではない。一人ひとりの選択と行動にも、日本の未来を変える力がある。
なぜ、この本を書いたのか
日本は、いつしか第二の故郷になっていた。
1993年に日本で仕事を始めて以来、日本企業や国際的な組織の中で仕事をしてきた。さまざまな人と出会い、組織の中で仕事をし、日本社会の変化も身近に見てきた。日本を外から眺めてきたのではなく、その中で仕事をし、経験を重ねてきたからこそ見えてきたことがある。
2025年3月3日に日本経済新聞に寄稿した論考は、そうした経験から生まれた問題意識を言葉にしたものだった。本書では、その問いをさらに掘り下げ、日本はいま何を変え、これからどこへ向かうべきなのかを考えている。
日本への感謝と、長年にわたって積み重ねてきた経験。そして、日本の未来は日本だけに関わるものではないという思い。それが、この本を書いた原点である。
本書が問いかけるもの
1. 日本の強さは、どこから生まれたのか
規律、ものづくり、組織力、制度の安定。戦後の日本を支え、世界有数の経済大国へと押し上げた力とは何だったのか。
2. 強みが、足かせになるとき
かつて成功を支えた仕組みが、時代や環境が変わると、新たな一歩を踏み出すことを難しくする。強みは、いつまでも強みであり続けるのか。
3. なぜ、決断は先送りされるのか
変える必要があると分かっていても、なぜ人や組織は決断を先送りしてしまうのか。失敗への不安、責任の所在、既存の仕組みや立場。変化を妨げるものは、どこにあるのか。
4. 先送りの代償
人口、財政、テクノロジー、国際情勢。時間が経つほど状況が厳しくなり、必要な対応が難しくなっていく。その影響をどう捉えるべきなのか。
5. 日本は、これから何を選ぶのか
社会、文化、制度、人材。日本には、今も多くの強みががある。これからの日本を決めるのは、過去の成功ではなく、これからどのような選択をするかである。




